弁 護 士 業 務
民事裁判のIT化 メリットその3,ほか
第3は期日の出頭が不要又は大幅に減ることです。裁判の期日の中でも法廷で行う口頭弁論には、必ず出頭しなければなりません。遠隔地の裁判所に裁判を起されれば、5分で終わるときでも、飛行機に乗り、場合によっては前泊する必要があります。もっとも、現在でも非公開で行う弁論準備手続では,原被告のどちらかが裁判所へ出頭すれば,裁判所の電話会議システムを使って,出頭しない当事者との間で行うことはできます。。しかし,電話会議は,相手の顔が見えず,やりにくいものです。これらがWeb会議で行えるようになります。このようにメリットがあるIT化ですが、海外を見れば、アメリカでは約20年前に始まり、韓国でも、10年前に実現しています。日本だけが取り残されているということで、今回の動きとなりました。
民事裁判のIT化 メリットその2
第2の利点は提出が瞬時に済むことです。現在は,それらの書面を提出するには、裁判所へ持って行くか郵送しなければなりません。この点は、準備書面等はファックスでも良いとされています。ただ,ファックスの書面は鮮明ではないため、できれば使いたくありません。それでも,殆ど裁判所とのやり取りのために、他の業界では、既に死物化したファックスも弁護士業界では必需品のままです。裁判所以外では,毎日,無用な広告ばかり来てウンザリしています。IT化されれば,電子化された書面をワンクリックで提出できますし,フックスも無用になるかも知れません。
民事裁判のIT化 メリットその1
政府は、民事裁判のIT化を図るため、民事訴訟法の2年後の改正を目指すことを3月10日閣議決定しました。IT化には利用者にとって3つの利点があります。第1はペーパーレス化です。現在、書面をやり取りしなければ、裁判はできません。原告も被告も訴状,答弁書,準備書面などの書面を裁判所用に1通、被告用に人数分、弁護士自身の控えに1通、依頼者用に1通,つまり、事実上同じ書面を最低4通作っています。また、証拠もそのコピーを最低4通作ることになります。複雑な事件では、準備書面を双方が何回も出し、沢山の証拠も必要です。その紙の量は、凄いことになります。時々、「ウチは印刷所か!」と思うことがありますし、法廷で、廷吏さんがリヤカーのようなもので、事件記録を用意するのを目にすることもあります。